【ノーベル文学賞】子育て中の方にも読んでほしいアリス・マンロー「良妻というものは……」『悪妻論』by 坂口安吾【名作名言】

2015年06月20日

「電車に乗っている間は、いわば人生のつなぎの時間」(有川浩『阪急電車』児玉や清解説より)

阪急電車 (幻冬舎文庫)




読み終わりました。
予想通り、
さくっと読めて、
ほのぼのしました。

阪急今津線に、
これほど興味が湧いたことはありませんでした。

付き合っている人が「西宮北口」駅に住んでいても、
気にも留めていなかったけれど、
これを読んでしまうと、
可愛らしく、愛おしく感じます。

「電車に乗っている時間」って、
不思議な時間です。

冒頭、このような出だしで始まります。

***

電車に一人で乗っている人は、
大抵無表情でぼんやりしている。

***


解説を書いた児玉清さんは、
この一文に心を掴まれたようで、
このように書いています。


***

電車に乗っている間は、
いわば人生のつなぎの時間なのだ。
乗物に身を乗せて目的地までの時間は
人間にとってなにやら
エキストラ・タイムなのだ。
ある意味で人生の無為の時間とも言える。
つまり、所在なく自分の心を休業状態にしているときなのだ。
だから、どうしても無表情でぼんやりした顔をしている。

***

エレベータに載ると、
みんなが上に目線を送り、
フロアを上がったり下がったりする点滅文字を
“所在なく”眺めたりしますが、
電車は乗車時間が長いので、
そういうわけにもいきません。

それで、あさってのほうに視線を向けて、
“ぼんやり”するしかなくなってしまう。


さらに、『阪急電車』では、
電車で出会った人々の関係を、
このように表現しています。

***

正しい行きずりの関係のように

***

言葉を交わすことがあっても、
所詮、電車で出会った人たちは、
「行きずりの関係」でしかないけれど、
そこにも物語が生じています。

まあ、わたしの友人は、
「電車トモ」と仲良くなるのが上手でしたが。


今津線で起こったいくつかの物語の中には、
現在、月曜日に放送されているバラエティ番組、
『スカっとジャパン』なみにスカッとするものも。

また、疲れた時に、
ふと思い出して読んでみたい一冊です。






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hachilabo at 00:03│Comments(0)日本の文学・小説 

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